最高の食パンを生む素材選びの極意
「究極の基本食パンレシピで小麦の風味を堪能する」にて基本配合をご紹介いたしました。食パンの味や食感を決める土台となります。素材はすべて特定の比率で選ばれ、食パンの味や食感に完璧なバランスを提供します。
基本配合 ベーカーズ%(一斤分の重量)
- 小麦粉(強力粉)100%( 250g )
- 砂糖 5%( 1.25g )
- 油脂 5%( 1.25g )
- 脱脂粉乳 3%( 0.7g )
- 食塩 2%( 0.5g )
- 生イースト 2%( 0.5g )インスタントドライイーストの場合は、1/2~1/3
- 水 70%( 175g )※調整要
この基本配合をしっかりと押さえることで、それぞれの素材が見事に調和し、食パンの美味しさを最大限に引き出せます。
1.小麦粉(強力粉)
食パンの主役であり、その品質が全体の仕上がりを左右します。タンパク質含有量の高い強力粉を選ぶことで、ふっくらと膨らみ、もちもちした食感が生まれます。特に製粉技術の高いブランドや地元産のものを選ぶことで香りが際立ちます。

2.砂糖
生地の発酵を助ける役割を果たします。生地全体に優しい甘みを与えます。パンの焼き色にも寄与します。選ぶ際は上白糖やグラニュー糖が最適です。風味のバランスが良く、小麦の魅力を引き立てます。ミネラルを含むきび砂糖や黒糖を使うと風味が独特になり栄養価もアップします。ただし量によっては小麦の風味のバランスを損ねることがあります。
3.油脂
食パンにしっとりとした食感を与えます。風味の少ないマーガリンやショートニングが使いやすいです。バターを全量にすると、風味が強い素材のため、小麦の風味を邪魔します。隠し味としてバターを少量混ぜると香りとコクが増します。ですが、バターは焼き上がった後で塗った方が味を高めあうといった相乗効果を生みます。
4.食塩
パンの生地や味を引き締める役割を果たします。パンには絶対に必要な素材です。精製塩が一般的ですが、伯方の塩などの天然塩を使うとより深い味わいになります。風味の特徴が強い天然塩は、パンの風味を損ねることがあります。
5.脱脂粉乳(スキムミルク)
栄養価と風味を高める役割を果たします。購入時には新鮮なものを選び、吸湿性が高いので開封後はしっかりと密封し保存する必要があります。食パンに特徴的な香ばしい焼き色を付け、風味が増してより美味しくなります。

6.イーストまたは天然酵母
基本配合では、生イーストと書きましたが、他に市販で購入しやすいインスタントドライイースト、他に天然酵母が使用できます。発酵の要となる酵母は、特に生タイプの場合、新鮮なものを選ぶのが基本です。また品質が悪いと発酵に影響が出るため、信頼できる製造元を選ぶことをお勧めします。インスタントドライイースト、天然酵母は生イーストとは風味や発酵速度の違いがあります。
7.水
最適な量の水を生地に含ませることは、経験が必要ですが、パン作りの仕上がり、食感に大きく左右します。水道水(浄水された水)、ミネラルウォーターで、小麦の風味に邪魔せずに使用できます。また硬水はグルテンを強化し、軟水はふんわりした食感を生み出します。使用する水の種類によって食パンの特性が変わります。