健康を考える大人に｜鉄製フライパンで叶える“減塩・減油”の食卓

高血圧や脂質異常症、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病は、日本の中高年層にとって身近な課題です。厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準（2025年版）」では、1日の食塩摂取量を男性で7.5g未満、女性で6.5g未満と推奨しています。しかし実際には平均9〜10g程度と、依然として過剰摂取が問題視されています。また油分についても、飽和脂肪酸や過剰なカロリー摂取は動脈硬化や肥満リスクを高めることが指摘されています。

では、無理なく減塩・減油を続けるにはどうすればいいのでしょうか。答えの一つが、調理器具の選び方にあります。特に鉄製フライパンは、健康を意識する方にとって心強い味方となります。

鉄製フライパンが減塩をサポートする理由

鉄製フライパンは高い熱伝導率と蓄熱性を持つため、食材を短時間で一気に加熱できます。これにより野菜や肉の旨味や甘味成分（グルタミン酸や糖類）が引き出され、調味料に頼らなくても「味が濃く」感じられます。
実際、調理科学の研究でも「高温で短時間加熱することで、食材の自然な呈味成分が増加する」ことが報告されています。つまり、塩分を控えても十分な満足感が得られるのです。

油を控えても美味しく仕上がる

フッ素加工のフライパンに比べ、鉄製フライパンは一度温度が安定すると食材がくっつきにくくなります。
そのため油を大量に敷かなくても調理でき、少量の油で香ばしさとジューシーさを両立できます。例えば鶏肉や豚肉は、皮目を下にして焼けば余分な脂が溶け出し、自然に“減油調理”が可能。これは肥満や高脂血症の予防につながります。

鉄分補給という副次的メリット

さらに見逃せないのが、鉄製フライパンからごく微量の鉄分が食材に移る点です。特に酸を含む料理（トマトソース、酢を使った料理など）ではその効果が高まるといわれています。
厚労省の国民健康・栄養調査でも、日本人女性の約4割が鉄不足傾向にあることが報告されており、鉄欠乏性貧血の予防には日常的な鉄摂取が欠かせません。サプリメントではなく、毎日の食事から自然に鉄を取り入れられることは大きなメリットです。

具体的なおすすめ活用法

• 野菜のグリル：ズッキーニやピーマンを油をほとんど使わずに焼き、最後にひとつまみの塩。カリウム豊富な野菜が塩分の排出も助けてくれます。
• 減油チキンステーキ：皮目を下にして焼き、出てきた脂を拭き取りながら調理。余分な脂質を除去しつつ、タンパク質はしっかり摂取。
• シンプルトースト：バターを控えても鉄で焼くと小麦の香りが際立ち、噛むほどに旨みを実感できます。

まとめ

「減塩・減油の食事＝味気ない」というイメージは、鉄製フライパンを使うことで変わります。素材本来の味を引き出す調理法によって、塩分も油分も自然に控えられます。そして同時に鉄分補給も期待できます。これは、医学的にも理にかなった食生活の改善習慣といえると思います。

健康を気遣う大人にこそ、鉄製フライパンは長く寄り添うべき一生モノの調理道具です。今日から、日々の食卓を少しずつ変えてみませんか？